賃貸借(ちんたいしゃく)とは、法律上の言葉で、当事者の一方が他方に対して物の使用収益を認め、その対価(賃料)を徴収することを内容とする契約をいう。
日本の民法における賃貸借の規定は、賃貸借契約の対象として不動産と動産の両者を想定している。しかし、不動産の賃貸借のうち、建物所有を目的とする土地の賃貸借と、建物の賃貸借については、借主保護などの観点から民法上の原則に修正を施した借地借家法が適用される。民法上の規定には任意規定が少なからず存在し、民法の規定が任意規定であれば当事者間の契約が優先する。そのため動産の賃貸借契約においては当事者間において細かな契約条項が定められているのが通常であり(約款の項目を参照)、民法上の規定が直接適用される機会は少ない。よって実社会において賃貸借の規定が直接に適用される場面は少なくなってきたといえる。しかしあくまで原則は民法上に規定された賃貸借なのであり、これが基礎となっていることも確かである。
日本の民法は、賃貸借を意思表示の合致により成立する諾成契約として規定している。外国では契約の際に書面などを要求する要式契約として規定している場合もある。
日本では不動産を賃貸する際に、賃貸物(特に建物)の引渡しに先立って賃借人の債務、具体的には賃料の支払や後述する原状回復のための費用を担保する目的で一定額の金銭を賃貸人に寄託(消費寄託)させるのが通例である。この金銭を敷金(しききん)とか保証金(ほしょうきん)という。また、賃借人に賃貸借契約締結その ものの対価(謝礼)を支払わせることも多く、この対価を礼金(れいきん)という。契約が成立した際、敷金以外に支払われる金銭のことを総称して権利金ということもある。これらと類似したものとして、契約を更新する際に金銭の支払をすることが合意されていることもあり、更新料と呼ばれる。